【卓球】平野美宇がアジア選手権で優勝

 平野美宇は14日の準々決勝で世界ランキング1位の丁寧(中国)と当たりました。この日が17歳の誕生日だった平野美宇は「最悪の誕生日だわ」と思ったそうです。確かに第1ゲームを3-11で落とし第2ゲームも0-5になったときにはこのまま一方的になるかと思いました。しかし、平野美宇はそこから4ポイントを連取しその後一進一退で6-9になりました。そして、次のポイントは激しいラリーとなり平野美宇が何回もスマッシュを打ち込んだ末にポイントを取って7-9にしました。ここで潮目が変わったと思われるのですが、急に丁寧の落ち着きがなくなりました。そして丁寧は次のポイントも続けて落とし1点差に迫られるとたまらずタイムアウトを取りました。タイムアウト後の1点は丁寧が取り8-10とゲームポイントになりましたが、平野美宇が2連続でサービスエースを決め10-10のデュースに持ち込みました。その後、丁寧は何度かゲームポイントを逃すも切り札のしゃがみ込みサーブを連発して12-14でなんとかこのゲームをものにしゲームカウントを0-2としました。しかし、勢いづいた平野美宇は3ゲーム目も積極的に攻め3-1と先行しいったんは5-5に追いつかれますが、激しい打ち合いの末6-5にします。丁寧は思わずコーチの方を見ますがすでにタイムアウトを取っているのでタイムアウトは取れません。そして、平野美宇が丁寧の決め球のしゃがみ込みサーブを返してレシーブポイントを決めるとまた丁寧の落ち着きがなくなってきました。その後1点ずつ加え8-6から平野美宇がまたも丁寧のしゃがみ込みサーブからレシーブポイントを決め9-7にします。10-7でゲームポイントを迎えた後2ポイントを落とし10-9となったところで平野美宇がタイムアウトを取り、タイムアウト後に1点を取ってゲームを決め、ゲームカウントを1-2にしました。実は平野美宇はこれまで5回の丁寧との対戦で1ゲームも取ったことがなかったので、これが丁寧から取った初めてのゲームでした。第4ゲームでは丁寧は最初からしゃがみ込みサーブを使って攻めますが平野美宇になかなか通用せず簡単に返されるようになりいったんは4-1と平野美宇が先行します。丁寧も意地を見せてさらにしゃがみ込みサーブを連発し4-6と逆転し、5-9とマッチポイントにあと1点としました。しかし、世界ランク1位相手でもここであきらめないのが今の平野美宇です。サービスポイントで6-9とすると丁寧のしゃがみ込みサーブに対応して8-9まで追い上げます。その後丁寧に1ポイント取られて8-10と丁寧に2回のマッチポイントを与えてしまいますが、丁寧を左右に振る後に引かない攻撃で10-10のタイに持ち込みました。このあと、丁寧が3回、平野が1回のマッチポイントを逃し14-14までもつれたあと16-14で平野美宇がゲームを取りゲームカウントを2-2のタイにしました。こうなると、攻める平野美宇、焦る丁寧の構図になります。丁寧は最終の第5ゲームでも最初からしゃがみ込みサーブを出してきますが平野美宇に返されゲームは一進一退で進みました。4-5でサードチェンジになった後も丁寧は落ち着かず、4-6から6-6になると苦悶の表情で首を横に振っていました。この後7-7、8-8と丁寧が先行するも追いつかれる展開で終盤でしゃがみ込みサーブで引き離すいつもの丁寧の戦術が平野美宇には通用しません。9-8、10-8と平野美宇がマッチポイントを迎えたあと、丁寧もしゃがみ込みサーブでエースを取って10-10のデュースとしました。しかし、平野美宇は11-10と再びマッチポイントとした後、丁寧のしゃがみ込みサーブを返して打ち合いに持ち込み勝負を決めました。平野美宇は、対戦が終わり丁寧、審判、相手コーチと握手し自分のコーチのところに戻る途中で急に座り込んでしまっていました。あまりの出来事に腰が抜けてしまったそうです。平野美宇自身にとってもそれほど衝撃的な勝利で17歳の誕生日を「最悪」から「最高」に変えてしまいました。

 平野美宇は、翌日行われた準決勝で世界ランキング2位の朱雨玲(中国)を11-7、11-9、11-8、決勝では世界ランキング5位の陳夢(中国)を11-9、11-8、11-7とともにストレートで破り優勝しました。対戦後の相手選手2人の感想は、サーブを返すのが難しかったことと返球が速いので自分の方の余裕がなくなり主導権を奪われ相手により多くのスペースを与えてしまったというものでした。実際に試合を見ても、平野美宇が卓球台の近くから左右に打ち返して卓球台から離れた相手選手を振り回すことが多いように思えました。国際卓球連盟のページにも「ハリケーン平野」と書かれたようにこの高速ラリーを身につけた平野美宇は相手にとって脅威でしょう。

 今回の優勝はアジア選手権の女子シングルスで最年少優勝で21年ぶり3度目の日本人の優勝でした。おめでとうございました。