【卓球】2018年10月世界ランキング 丹羽が10位に

国際卓球連盟(ITTF)のホームページで2018年10月の世界ランキングが発表されました。ランキング順とランキングポイントを説明するとともに、丁寧が年内に1位になれるかの考察と、石川佳純が11月の世界ランキングで3位に浮上することの説明も記載しました。


今回の世界ランキングでは、女子はワールドカップで優勝した丁寧が先月の6位からさらに2位に上げてトップの朱雨玲に迫ってきました。またワールドツアーと同格のアフリカ選手権とヨーロッパ選手権があったためアフリカとヨーロッパ選手のポイントに変動がありました。アジア選手もアジア競技大会が10月の世界ランキングに算入されたため変動はありますがポイントが小さいためトップ選手にはあまり影響はありません。また、10月の世界ランキングで無効になるポイントに昨年9月のオーストリアオープン(ワールドツアープラチナ)があるので、ここでポイントを稼いでいた選手はランキングポイントを減らして順位を落としています(ランキングポイントシステムの詳細はこちらをご覧ください)。


10月のランキングポイントは原則2017年10月から2018年9月に行われた大会が対象になります。9月に行われた大会では以下の大会がシニアのポイントの対象となります。


  • 女子ワールドカップ
  • アフリカ選手権(大陸選手権)
  • ヨーロッパ選手権(大陸選手権)
  • アジア競技大会(マルチスポーツゲームズ)
ワールドカップは、オリンピックと世界選手権と並び卓球の三大タイトルと言われていますが、優勝ポイント的にはグランドファイナルと同じで、オリンピックや世界選手権より低く、ワールドツアープラチナより高優勝ポイントとなっています。大陸選手権はワールドツアーと格付けで優勝でのポイントは1800ポイントです(各大会の優勝/準優勝ポイントの比較にについてはこちら)。アジア競技大会は卓球競技が8月26日~9月1日の開催で、通常は大会の開始日が基準でポイントの獲得月が決まるので8月の大会としてポイントが加算されると思っていましたが、9月の大会(10月の世界ランキングで算入)として扱われました。ポイントはさらに低く、チャレンジシリーズの3分の1になり、優勝で600ポイントです。

ではまず今月のランキングを見てみましょう。
 *カッコ内は前月順位 女子 ポイント 男子ポイント 
 1朱雨玲(中国)(1) 17469(+945)樊振東(中国)(1)17001(±0) 
 2丁寧(中国)(6)15984(+1200) 許昕(中国)(2)15610(±0)
 3劉詩雯(中国)(2)15309(-360)ティモ・ボル(ドイツ)(4) 15189(-164)
 4石川佳純(日本)(4) 15263(*128)オフチャロフ(ドイツ)(5) 14375(±0)
5 陳夢(中国)(3)15014(-280) 林高遠(日本)(3) 14296(-893)
 6王曼昱(中国)(5) 14430(-675)馬龍(中国)(6) 13950(±0)
 7鄭怡静(台湾)(8) 14011(+780)李尚洙(韓国)(7) 13374(±0)
 8伊藤美誠(日本)(7) 13910(±0)張本智和(日本)(8) 13314(±0)
 9平野美宇(日本)(9) 13628(+435)黃鎮廷(香港)(9) 12969(±0)
 10陳幸同(中国)(10) 12594(-114)丹羽孝希(日本)(11)
 12151(-315)
 11馮天薇(シンガポール)(11) 12565(±0) ウーゴ・カルデラノ(ブラジル) (10)
 12029(-786)
 12徐孝元(韓国)(12) 12489(+535) 水谷隼 (12)
 11910(-60)

(注)ポイントのカッコ内は前月からの増減です。

 今回の世界ランキングでは、注目はやはり2位に浮上した丁寧です。女子ワールドカップの優勝では感極まって涙ぐんでいましたが、一昨年、昨年と体調が優れず出場権はあるのに出場できなかったので、それだけ気持ちも入っていたのだと思います。これでオリンピック、世界選手権、ワールドカップの三大タイトルの現チャンピオンとなった丁寧が1位に返り咲く日も近そうです。


 また、ワールドカップで銅メダルを獲得した台湾の鄭怡静も伊藤美誠を抜いて順位を上げています。伊藤美誠や早田ひななど日本の女子選手で順位を落としている選手が多いのは昨年9月のオーストリアオープンのポイントが失効したためです。


 一方、男子で注目が丹羽孝希が10位に返り咲いたことでしょう。実は丹羽孝希はランキングポイントは減ったのですがカルデラノが丹羽以上にランキングポイントを減らしたためカルデラノに代わって10位に浮上しました。トップ10に日本選手が2名になったのはうれしいですね。水谷選手も頑張ってトップ10に復帰してほしいです。そういえば、琉球アスティーダはこれで世界ランキングでトップ10の選手という条件を満たしましたね。


 そのほかの主な日本選手の順位は、女子は佐藤瞳が14位(14位)、芝田沙紀20位(16位)、加藤美優25位(24位)、橋本帆乃香30位(31位)、早田ひな31位(24位)、長﨑美柚39位(34位)となっています。

男子は、吉村真晴27位(27位)、大島祐哉28位(28位)、松平健太が29位(23位)、上田仁37位(47位)、森薗政崇40位(38位)になっています

丁寧の年内1位はあるのか

 丁寧はすでに述べたように、今回のワールドカップ優勝でオリンピック、世界選手権、ワールドカップの三大タイトルの現チャンピオンとなりました。丁寧の約1年ぶりの1位への返り咲きも期待されスですが、現時点では1位の朱雨玲とのポイント差は大きいです


しかし、実際のランキングポイントのポイント差はそれほど大きくないのです。

というのも、10月のランキングポイントには少しからくりがあり、昨年10月に行われたワールドカップのポイントと先月のワールドカップのポイントの両方が算入されているからです。

つまり、獲得ポイントの有効期限は1年間なので、昨年10月に行われたワールドカップで獲得したポイントは今月で無効となり11月のランキングポイントには算入されなくなります。ワールドカップのポイントは高いので、昨年のワールドカップで優勝した朱雨玲をはじめ、昨年のワールドカップで成績が良かった選手の場合、その獲得ポイントは確実にランキングポイントに算入されています(ランキングポイントの有効期間と計算方法についてはこちら)。

さらに、10月はワールドツアーがなくポイントが獲得できるのはチャレンジシリーズのベルギーオープンぐらいで、ポイント的にはトップ選手は出場する意味がありません。このため、昨年のワールドカップで獲得したポイントが現在のランキングポイントに算入されている選手はランキングポイントを減らす可能性があるわけです。

ちなみに朱雨玲の場合は、優勝の2550ポイントが減り替わりに算入されるポイントは1350ポイントなので、


11月のランキングポイント=10月のランキングポイント(17469) - 2550 + 1350


つまり、11月のランキングポイントは16269ポイントとなります。丁寧は、11月のランキングポイントは変わらないと思われますので、まだ朱雨玲が1位なもののその差は285ポイントまで縮まります。

来月11月の大会で獲得するポイントと昨年11月の大会で獲得したポイントは12月のランキングポイント、つまり世界ランキングに影響します。

11月に行われるシニアの大会は、次の2大会です。

  • スウェーデンオープン(ワールドツアー) 11月1日~4日
  • オーストリアオープン(ワールドツアープラチナ) 11日8日~11日
また、獲得ポイントが11月に無効になる昨年11月に行われた大会はスウェーデンオープン(ワールドツアー)とドイツオープン(プラチナ)です。

丁寧と朱雨玲の昨年11月のスウェーデンオープンとドイツオープンの結果は以下のとおりです。

丁寧  朱雨玲
スウェーデンオープンの結果  準優勝(1620) 準決勝(1440)
ドイツオープンの結果  ---- 準優勝(2025)

朱雨玲は、残り2試合に出場しないとランキングポイントが減ってしまいます。二人のこれら2試合へエントリーを含めて大会の結果から目が離せません。また、丁寧はあと1大会ワールドツアーに出場しないと12月のグランドファイナルに出場できません(グランドファイナルの出場条件についてはこちら)。朱雨玲は昨年のグランドファイナルで準優勝していて丁寧は出場していないため、丁寧が今年のグランドファイナルに出場すれば、来年1月の世界ランキングで1位に返り咲く可能性は濃厚です。


また、平野美宇も昨年のワールドカップで4位になっているので朱雨玲同様にポイントが減りますが10位の陳幸同と1000ポイント以上の差があるため11月の世界ランキングで9位から落ちることはないと思います。11月のワールドツアーで頑張って、来年に備えて12月の世界ランキングで順位を上げてほしいです。

石川佳純は11月の世界ランキングで3位に浮上

 実は、上で説明した昨年のワールドカップのポイントを持っていてそれが11月の世界ランキングで失効する上位選手がいます。それが、劉詩雯と石川佳純です。

石川佳純と劉詩雯10月の世界ランキングでのポイント差はわずかに46ポイント差だったため、これが二人の順位に影響します。


現在3位の中国の劉詩雯は、今年のワールドカップには出場していませんが、昨年は丁寧の代理として出場し準優勝しています。このため、10月の劉詩雯のランキングポイントにはこのときの獲得ポイント2295ポイントが失効し替わりに算入されるポイントが900ポイントのため11月のランキングポイントは13914ポイントとなり大幅に減少します。

一方、46ポイント差で4位となった石川佳純は昨年のワールドカップは1回戦で敗退し1530ポイントを獲得していますがポイントが低いため現在のランキングポイントに算入されておらず、11月のランキングポイントの構成は10月と変化がないため15263ポイントとなります。

このため、石川佳純は劉詩雯に1000ポイント以上の差をつけて3位になります。ちなみに、丁寧も昨年のワールドカップには出場していないので丁寧との差は変わらず、また丁寧と朱雨玲の関係で説明したように朱雨玲は11月の世界ランキングでも丁寧より上なので、石川佳純が2位になることはありません。


また、台湾の鄭怡静も昨年のワールドカップで3位だったため2040ポイントが無効になり、11月のランキングポイントは13231ポイントになります。この結果、劉詩雯が伊藤美誠をわずかに4ポイント上回り6位、伊藤美誠7位、鄭怡静8位になると思います。平野美宇も、昨年のワールドカップのポイントがなくなるので12975ポイントになると予想されます。