【卓球】 2017ジャパンオープン荻村杯 4日目の結果

平野美宇、伊藤美誠は準々決勝で中国勢に敗退

 卓球のジャパンオープン荻村杯4日目(6/17)はシングルスの2回戦の後半と準々決勝、およびダブルスの準決勝と決勝が行われた。

・男子シングルス

 水谷隼は2回戦でスウェーデンのK・カールソンと対戦し、1ゲーム目を10-12で取られたもののその後4ゲームを11-7、13-11、11-9、11-8で連取し勝って午後の準々決勝に進んだ。残りの3試合では、中国の樊振東はフランスのルベッソンに2ゲームを先取されたがその後4ゲームを連取し勝ち、同じ中国の梁靖崑が香港の黄鎮廷に4-1で勝った。また、先日の世界卓球で中国の張継科を倒した韓国のリー・サンスが中国の林高遠にストレートで勝ち準々決勝に進みました。

 準々決勝では、水谷隼がリー・サンスとゲームオールを戦い11-6、11-9、4-11、6-11、8-11、11-7、12-10と最終ゲームもデュースまでもつれましたがリー・サンスを振り切って準決勝に進みました。丹羽孝季は馬龍と対戦し1ゲームを奪いましたがゲームカウント1-4で敗退しました。中国同士の対戦となった残り2試合は、 樊振東 が梁靖崑に2ゲームを取られたあと4ゲームを連取して逆転で勝利し、許昕は方博が1ゲーム目途中で棄権し準決勝に進みました。

 最終日の準決勝は、 1試合は 水谷と樊振東 対戦、もう1試合は今回ダブルスを組んでいる馬龍と許昕の対戦となりました。

・女子シングルス

 女子シングルス2回戦の後半戦4試合では、平野美宇が韓国のチョン・ジヒと対戦しましたが苦戦してゲームオールの戦いになりました。「思ったよりボールがゆっくりでタイミングが合わなかった」そうで平野美宇がミスをする場面が目立ちました。最初のゲームをデュースの末13-15で落としましたが第2、3ゲームを11-6で取った後、7-11、11-5、4-11とゲームを取り合い、最終ゲームまでもつれ込みファンをヤキモキさせました。最終ゲームは、落ち着いて対処し11-7でふりきりました。宮崎氏の解説では、新しいロングサーブをあまり使いたくなかったのではないかとのことでしたが、ドイツの大会直前練習で痛めたという右上腕にまだテーピングがあり心配だったので試合が長引かない方がよかったのではないかと思いました。ほかの2回戦3試合では、中国の陳夢が香港の姜華珺に、台湾の鄭怡静がポルトガルのユ・フに、ドイツのハン・インがシンガポールのツォン・ジエンに それぞれ4-1で勝ち準々決勝に進みました。

 準々決勝では、平野美宇はアジア選手権のリベンジに燃える中国の陳夢と対戦しました。陳夢は世界卓球での丁寧と同じように試合の序盤から1点ごとに声を出して気合を入れていました。1ゲーム目も2ゲーム目も1-4と先行され、積極的に攻めて試合をコントロールする平野美宇のパターンに持ち込めませんでした。また、丁寧と同じくフォアハンドからの打ち合いに持ち込まず突っつきでネット際に返してくるため得意のバックハンドも使える場面が少なかったです。先行された後追いつく場面もありましたが、終盤で決定打を決めきれず7-11、8-11、5-11、7-11とストレート負けを喫してしまいました。試合後のインタビューでは「サービスにも対応され、ラリーの速さにもついてこられている。自分のペースになることがなくバックハンドを使う以前に終わってしまった。もっと強い選手にならなくてはならない」と言っていました。また、陳夢は「最初の2ゲームは非常に拮抗していた。この2ゲームを取ったことで緊張が取れ落ち着いてプレーできた。4ゲーム目のタイムアウト後に平野に2ポイントを取られた。自分のレシーブに問題はなかったが平野はとても質の高いバックハンドを打ってきた。しかし、タイムアウト時にコーチから平野は積極的に来るだろうと言われ予測していたので慌てずにその後のゲームをコントロールできた」と言っています。平野美宇は中国に徹底的に研究され、その対策をトップ選手が確実に実行した結果でした。しかし、別の考え方をすれば中国が国をあげて平野美宇に欠点を教えてくれているとも考えられます。若い平野美宇はまだ成長過程であり欠点を克服していけるはずなので、今後ますます強くなっていく平野美宇に期待です。

 伊藤美誠は1回戦で石川佳純に勝った中国の王曼昱と対戦し、第1ゲームと第2ゲームを11-4、11-8で奪い、これは勝てるかと思いました。予選でも0-3から4ゲーム連取で勝っている王曼昱は中盤から調子が上がるようで第3ゲームは3-9と先行されました。しかし、その後伊藤美誠が7連続ポイントで10-9と先にゲームポイントを握りました。しかしねばられ、11-13でゲームを取られ、その後調子の上がった王曼昱に苦労し第4ゲームもデュースになったものの10-12で取られ、続く第5、6ゲームも9-11、8-11と迫ったものの結局4ゲーム連取され、ゲームカウント2-4で逆転負けしおしい試合を落としてしまった。試合後、伊藤美誠は「将来化け物のようになりそうな選手で、今倒しておきたかった」と勝てそうだった試合を悔やんで涙ぐんでいたが、昨日の陳可との試合やこの試合は勝ちを意識してアドレナリンが出てオーバーミスを連発する場面もあったが落ち着いたミスの少ないプレーをする場面も多く見られ技術面だけでなく精神面の成長も見られよかったと思います。また、陳可も王曼昱も中国一軍の選手なのでこれらの選手と互角に戦えたのは成果があったのではないでしょうか。

 準々決勝のあとの2試合は、台湾の鄭怡静とドイツのハン・インの世界ランキング8位と9位の対戦はハン・インが4-2で、中国の16歳の孫穎莎がドイツのシャン・シャオナに4-2で勝ち、準決勝に進出しました。

 準決勝は、1試合は王曼昱と孫穎莎の中国のティーンエージャーでノーシード同士の対決になりました。もう1試合は、中国の陳夢とドイツのハン・インでこちらは世界ランキングトップ10のシード選手同士の対戦になります。

・男子ダブルス

 準決勝は、今年の世界卓球で銅メダルの森薗政崇/大島裕哉ペアが丹羽孝季/吉村真晴ペアと対戦し丹羽/吉村ペアが11-7、11-9、6-11、11-9、ゲームカウント3-1で勝って決勝に進みました。馬龍/許昕ペアと樊振東/林高遠ペアの中国同士の対戦は馬龍/許昕ペアが11-6、11-6、11-9のストレートで勝ちました。

 決勝は日本と中国の対戦になりましたが、馬龍/許昕の最強ペアに丹羽孝季/吉村真晴ペアは1ゲーム目を9-7でリードしたらがそこから、 そこから4ポイント連取され7-11で1ゲーム目を取られた。2ゲーム目以降は3-11、7-11と簡単に取られてしまいました。優勝は、馬龍/許昕ペアでした。

・女子ダブルス

 準決勝は、佐藤瞳/橋本帆乃香ペアは中国の陳幸同/孫穎莎ペアと対戦し12-10、2-11、12-10、8-11でゲームカウント2-2でゲームオールとなった最終ゲームは2-11で敗退しました。中国の若いペアは攻撃力が高く勢いに乗ると止められない印象でした。準決勝のもう1試合は韓国のチョン・ジヒ/ヤン・ハウン組と台湾の陳思羽/鄭怡静ペアの対戦でしたが、チョン・ジヒ/ヤン・ハウン組が3-1で勝利しました。

 決勝では、チョン・ジヒ/ヤン・ハウン組が11-9、11-8と2ゲームを連取しあと1ゲームで優勝というところでしたが、もう1ゲームも落とせない土壇場に追い込まれた中国の若い陳幸同/孫穎莎ペアが3ゲーム目から11-3、11-7、11-6と連取し逆転で優勝しました。