【卓球】 平野美宇はメダル逃す - 女子ワールドカップ最終日

 10月28日(日本時間深夜23時から29日午前中)に卓球の2017女子ワールドカップの決勝トーナメントの1回戦と準々決勝が行われました。日本選手は平野美宇は1回戦、準々決勝とも勝って準決勝に進出しましたが石川佳純は1回戦で敗退してしまいました(詳細はこちらのページを参照)。

 準決勝に残ったのは、平野美宇、中国の劉詩ウェンと朱雨玲、台湾の鄭怡静です。

 対戦の組み合わせとスケジュールは次のとおりです。最終日も全試合テレビ東京のサイトでライブ配信があります。

選手 選手 結果
スコア
( 準決勝)
朱雨玲(中国)鄭怡静(台湾) 4-011-4,11-9,11-3,11-4
平野美宇(日本)
劉詩ウェン(中国)0-4
5-11,7-11,1-11,6-11
(3位決定戦)

 平野美宇(日本)鄭怡静(台湾)
2-4
11-8,5-11,11-9,9-11,5-11,8-11
 (決勝)

朱雨玲(中国)
劉詩ウェン(中国)
4-3
11-13,8-11,11-7,11-8,10-12,11-9.12-10

(注)赤字は勝者です。

見どころ

 見どころはもちろん平野美宇と劉詩ウェンの準決勝です。


 皆さんよくご存じのように平野美宇は17歳の誕生日を迎えた今年4月14日にアジア選手権の準々決勝で丁寧を逆転で破り、翌日の準決勝、決勝でも朱雨玲、陳夢を連続してストレートで破って優勝して一躍注目を浴び、そのショットのスピードから「ハリケーンヒラノ」とITTF(国際卓球連盟)のニュースで報じられました(ちなみにその後、丁寧には世界選手権と中国オープンで、陳夢にはジャパンオープンで、朱雨玲にはアジアカップで2回リベンジされています)。しかし、劉詩ウェンとはアジア選手権の団体戦で当たり1-3で負けているのですが個人戦では当たっていません。そのため、中国のトップ4の内3人に平野美宇がまとめて勝って、残り1人の劉詩ウェンとの対戦を早く見たいファンがたくさんいたのです。しかし、なかなかその機会に恵まれずやっと巡ってきました。

 平野美宇と劉詩ウェンは背格好や戦型が似ていると言われていて、高速ラリーの応酬が期待できます。平野美宇が劉詩ウェンのスピードを上回り、確実なショットを打てれば十分に勝機はあるはずです。ミスは大きなマイナスになるでしょうし、試合中に弱気になって集中できなくなることがないようにしたいものです。準々決勝では、アジア選手権の時のようなあまり一喜一憂せず淡々と進めていく感じが出てました。たぶん、これが平野美宇がゾーンに入ったときなのだと思います。そうなると、体が勝手に反応して鋭いライジングショットが出るのだと思います。

 劉詩ウェンも、世界選手権前の平野美宇対策には参加はしていたと思いますし、アジア選手権の団体戦で当たったときに顔をしかめてたので、丁寧のように実際に負けてはいなくてもだいたい当時の感じはわかっていて対策はしてくるはずです。平野美宇は世界選手権とその後ワールドツアーで丁寧と陳夢に対策されて負け、7月から約2か月間の試合のない時期に対策の対策を練習したと思われます。その成果が、今回たまに見られるネット際のプレイのようです。アジアカップの時は初めての実戦での使用でまだ模索してる感じでしたが今回はある程度使えているようです。


 劉詩ウェンは、ワールドカップは4回優勝していますが、今年は世界選手権、全中国運動会、アジアカップと優勝できていないので今回は絶対優勝しなければならないという思いと、自分まで平野美宇に負けるわけにはいかないとというプレッシャーがあるはずです。平野美宇は1回戦、準々決勝と徐々に調子が上がってきていてアジア選手権のときのような雰囲気にもなっているので(コーチも中澤さんですし)、自分でも言っているようにディフェンディングチャンピオンということは忘れて、アジア選手権のときのように無欲で攻めて劉詩ウェンに勝ってほしいです。また、劉詩ウェンに勝つと朱雨玲にプレッシャーもかかりますので優勝も十分にあると思います。

[追記]ここまでの記事は試合前にかいたものですが、試合結果を記載しました。

最終日を終えて

 やはり、中国は強かったです。平野美宇と準決勝で対戦した劉詩ウェンは平野美宇のファンの淡い期待を挟む余地がないほどの完勝でした。そして、その劉詩ウェンと決勝で激闘を繰り広げゲームオールの末勝った朱雨玲もすごかったです。

 準決勝の平野美宇はそれほど悪いわけではなかったと思います。しかし、バック対バックのラリーになかなか勝てず、得意のサーブもたまに決まるものの完璧に返されていました。昨年のワールドカップや今年のアジア選手権ではサーブでもポイントを稼いでいたので、サーブで点を取れないと試合を作りずらいです。結局、平野美宇の卓球をさせなかった劉詩ウェンとは、まだまだ技術と経験、そしてメンタルの強さで差があると改めて感じる試合でした。

 一番良かったのは第2ゲームで、いい攻撃が何度か出たのですがなかなか続けて得点することが難しかったです。第3ゲームは体がほぐれてきた劉詩ウェンに対し、平野美宇は返球ミスやサーブミス、また台をオーバーするなどちょっと力が入っている感じでした。平野早矢香さんの解説では、打開しようといろいろ試してもがいていると言ってました。第4ゲームは序盤何度かリードする場面があり5-4としましたが、4ポイント連取され5-8、1ポイントを取り返したあと3ポイント連取され万事休すでした。


 3位決定戦は台湾の鄭怡静との対戦で、昨年の決勝戦と同じ顔合わせになりました。平野美宇が1ゲーム目を取りいつもの調子でいけるかと思ったのですが、鄭怡静も平野美宇の戦法を今回は研究しているようで打つところに構えていることもあり、打ち抜けるところを打ち抜けず逆でリターンでやられたりと徐々にペースが乱され、わずかにコートを外れるミスが出るようになり、だんだん鄭怡静のペースになっていきました。結局自分のペースに戻すことができないうちに第4、5、6ゲームを連取され2-4でメダルを逃してしまいました。


 ただ、平野美宇選手は思ったようにできず格下にも負けてメダルも逃して落ち込んでいるかもしれませんが、3位決定戦のなかった世界選手権と同じポジションだと今回の結果は前向きに捉えて欲しいと思います。ディフェンディングチャンピオンだと今回の結果は残念ですが、それを考えなければそれほど悪い結果ではないということです。今回「2連覇して伝説(レジェンド)になりたい」と言っていましたが、今回5回目の優勝を逃した劉詩ウェンが初優勝したのは18歳の時です。それを考えれば、まだまだチャンスはたくさんあります。


 それに、対戦した劉詩ウェンは対戦後にインタビューで「美宇も進化しているのでしっかり対応してくるが、こちらも対策している」と言っていたとテレビ東京の記事にもあり、尊敬する劉詩ウェンにも一目置かれているのは確かです。次の対戦では、ぜひ劉詩ウェンから初白星を取れることを期待しています。


 とはいえ、今年は中国の顧玉婷にワールドツアーで3連敗しているなど、まだ中国一軍の中堅にも負けているので、今回の負けで今までの勲章はリセットして、中国トップ4に続く顧玉婷あたりの選手には安定して勝てるようになることが今後の第一目標だと思います。

おもろかったら「ええやん」してや。Tweetでもええで。